旅立ち

星空 坂道
弓なりに 空へとつづく
旅立ち 面影
遠ざかる 滲む街の灯

砕けた心のかけら 夜の海に深く沈み
いつしか真珠のように 淡く光る
船はゆく その中を
滑るように 縫うように

うたた寝 潮騒
やさしい時を くれた人
さよなら 忘れない
潤んだ瞳に 揺れる月

夏雲 呼び声
待ちわびた 道の先へ
夕立 思い出
顔を上げ 遠い空を見る

誰もいない駅のベンチに 置き去りの
果たせなかった 約束がそのままに
風に揺れる 木漏れ日で
輝いたり 影になったり

いかずち 道草
たのしい時を くれた人
さよなら いつまでも
まっすぐな声で 歌う夢

砕けた心のかけら 夜の海に深く沈み
いつしか真珠のように 淡く光る
船はゆく その中を
滑るように 縫うように

星空 坂道
弓なりに 空へとつづく
旅立ち 面影
遠ざかる 滲む街の灯