砂上の月

よせる波音は
くりかえし くりかえし
続いてゆく
砂についた 遠い旅人の足跡
すべて 海の底へと

風に吹かれ 何を想った
儚く揺れる 命燃やして

目を閉じて 耳を澄ましても
きこえてくるのは
ただ波の音

のぼる月を見て
くりかえし くりかえし
人は歌う
離ればなれ いとしい人の
面影重ね ひとり佇む

雲の切れ間に 滲んで見える
せつない想い 言葉にして

歌っても 語りかけても
きいているのは
空に浮かぶ月