ガラス瓶の栓

止めどない想いで 現実に迷い
飛び出し向かった 遥かな場所は
緑色の海に浮かぶ 雲の影が
どこまでも続く

さしたる考えも まして自信もなく
強い日差し受けた 裸の街で
ざわめきの中の 静けさに
ふと自分の姿が見える

暮れ方の先 町外れ 高台で
鉄塔の脇 昇る黄色い月が
幻のように すべてを包む
ガラス瓶の栓 いつしか外れて

まっすぐに伸びた 砂の道ひとり
黒い影焼き付け 歩いてゆく
風に乗って 草の葉の
擦れる音だけが 聞こえてくる

暮れ方の先 町外れ 高台で
鉄塔の脇 昇る黄色い月が
幻のように すべてを包む
ガラス瓶の栓 いつしか外れて
ガラス瓶の栓 寂しさあふれて