冬の栞

ベンチに座る 人もなく
子供の声もしない
背中を押され 辿り着いた
色のない暮れる町

冬の便りが 風に運ばれ
胸の窓を叩く
渡る人のない 歩道橋
仰ぎ見る 冬空

こんな日は いつでも
君のこと 思い出す

強く握った 手と手から
こぼれ落ちたもの
いつの間にか 流れ着いた
別々の空の下

雪の結晶 髪がとかして
やがて栞になる
音の消えた町 つまずいて
灯る微かな 明かり

もう一度 逢いたくて
はく息で 見えなくて

冬の便りが風に運ばれ
胸の窓を叩く
渡る人のない 歩道橋
仰ぎ見る 冬空

こんな日は いつでも
君のこと 思い出す

もう一度 逢いたくて
はく息で 見えなくて